日本人は1日250gの野菜を摂っているといわれています。しかし、その一方で生活習慣病予防のためには350gの野菜が必要であるとも言われています。1日に+100gの野菜摂取を心がけて健康寿命を延ばしましょう。
野菜はなぜ大切なのか
野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維といった健康に欠かせない栄養素を豊富に含んでいます。これらは、毎日の食事からとらなければなりません。日本では、野菜は1人1日あたり350g以上とることを推奨されていますが、現状を見てみると平均で280g程度しかとれていません。世代別では全ての年齢層で不足していて、とくに20~40歳代の若い世代で野菜不足が目立ちます。これは将来、生活習慣病を発症する大きなリスクの1つといえるでしょう。野菜不足の原因として考えられるのは、欧米化した食生活です。肉類中心の欧米食では野菜を十分にとることが難しくなります。さらに、若い世代では朝食を食べなかったり、昼食はハンバーガーやラーメン、丼ものなどですませたりすることも、野菜不足の原因といえます。
野菜が足りないとどうなるのか
野菜不足は、便秘、肌荒れ、肩こりやイライラなど体にさまざまな不調をもたらします。さらに、高血圧や糖尿病、脂質異常症、動脈硬化など生活習慣病のリスクが高まります。野菜に含まれる栄養素、成分には生活習慣病予防、改善の効果がありますので、野菜を多くとることが重要です。また、野菜を先に食べることで、糖分の吸収が遅くなり、血糖値が上昇しにくいこともわかっています。
主な生活習慣病予防・改善効果
カリウム(ミネラルのひとつ)
塩分の排出を促す作用で、高血圧予防のための減塩効果がある
食物繊維
コレステロールや糖質の吸収を抑える作用で、肥満や急な血糖値上昇を防ぐ効果がある
緑黄色野菜の色素成分
強い抗菌化作用で、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の酸化を防ぎ、動脈硬化予防に役立つ
どれくらいの野菜が必要?
野菜不足が課題となっていますが、平均すると1人あたり1日280gの野菜を食べているといわれています。平均量をとっている人は、 あと70g意識して野菜をとれば目標量である350gを達成できます。70gの野菜というとトマトでは1/2個、玉ねぎでは1/4個、キャベツでは葉の1〜2枚程度ですから、決して難しい量ではありません。とくに健診結果で血圧、脂質、血糖値などが基準より高い場合は、意識して野菜をとるよう心がけましょう。
野菜を多く摂るためのワンポイント
●野菜不足は、あとトマト半分
じつは日本人はけっこう野菜を食べています。すでに毎日約280gの野菜を食べています。しかし生活習慣病予防の観点からは350gが推奨量。ですからあと70gだけ足りないというワケです。トマトなら半分。野菜炒めなら半皿分。むずかしい量ではありません。野菜メニューも充実している夕食ではなく朝食や昼食でプラスするのがコツです。
●温野菜なら、不足70gも食べやすい
生活習慣病予防の観点から、われわれ日本人はあと70gほど野菜の摂取量が足りません。わずか小皿ひとつ分なんですが。そこでちょっとしたコツとして生野菜ではなく温野菜だと食べやすくなるということを覚えてください。スープでも煮物でも。忙しいときはレンジでチンで。野菜そのものの味や食感も変化するので食事自体が豊かになるところがおすすめです。
●朝カフェで、一日をはじめましょう
朝食は「これからすることのエネルギー」になります。ですから、いい一日を過ごすために欠かすことはできません。しかしとくに単身者の場合は「めんどうな気持ち」が先に立ってしまい朝食抜きになることが多いようです。自宅から勤務先までの導線にある喫茶店やカフェあるいはファストフード店などで15〜20分の朝カフェ。午前中の仕事効率の向上という観点からも朝食を摂ることはとても重要な生活習慣といえます。
●おにぎりでオハヨウ
おにぎりこそ!われらが誇るファストフード。朝、出かける支度をしながらでも頬張れます。あるいは職場に着いてからでもちょっとした時間があれば手軽に食べられます。自分で作るのであれば、なかの具をいろいろ工夫してたのしめ、経済的でもあります。朝食はすこやかな生活習慣の第一歩です。
参照:厚生労働省HP、厚生労働省スマートライフプロジェクトHP、全国健康保険協会