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たばこについて

たばこは健康によくない

「たばこは健康によくない」といわれますが、どうしてでしょうか。実は、たばこには5,300種類以上の化学物質と70種類以上の発がん物質が含まれています。脳卒中や心臓病、慢性的な肺疾患、糖尿病、慢性腎臓病など、さまざまな生活習慣病を引き起こすほか、 肺がんに限らず多くのがんの原因になることも分かっています。近年、たばこの健康影響が広く知られるようになり、わが国の喫煙率は年々低下しています。それでもなお、喫煙が原因で死亡したと推定される人数は年間で約13万人にものぼり、 リスク要因別の死亡者数では高血圧を抑えて最も多くなっています。喫煙は、認知症のリスクを2~3倍も高め、日本人に多いアルツハイマー病、 血管性認知症のいずれとも関係があります。また、喫煙は脳卒中や骨折などのリスクが高く、 これらにより要介護の状態になりやすいことも分かっています。禁煙は、認知症や寝たきりを予防する観点からも有効なのです。

吸っていないのに吸わされる

たばこを吸っていないのに、たばこの煙を吸わされてしまうのが受動喫煙です。

受動喫煙で吸わされるたばこの有害物質は、たばこを吸う人に比べれば少量ですが、健康に大きな影響を与えることが明らかになっています。受動喫煙によってリスクが高まる病気としては、 肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群などが挙げられます。この4疾患について、受動喫煙が原因で死亡した人数は年間約1万5,000人と推計されています。

また、乳がん、慢性閉そく性肺疾患、子どもの喘息の発症と重症化、虫歯、低出生体重、 胎児発育遅延、中耳炎といった病気も、受動喫煙と関係があると考えられています。

受動喫煙の影響を減らすために

このような望まない受動喫煙による健康影響をより一層なくすために、 健康増進法が改正され2020年4月から全面施行されました。

受動喫煙を減らすための根本的な対策は、たばこを吸っている人が禁煙することですが、すべての人が受動喫煙を被らないために、 法律で定められた公共的な施設はもちろん、家の中や自動車内でも望まない受動喫煙が起こらないような配慮が必要です。

特に、子どもや基礎疾患のある患者等が集まる場所や、それらの人が近くにいる場所では喫煙を控えた方がよいでしょう。

禁煙への道~禁煙外来を上手に活用して無理なく確実に禁煙~

たばこは手軽なストレス解消法のように思えるかもしれません。

しかし、喫煙しない時間が続くとイライラするのも、喫煙して落ち着いた感覚になるのも、 ニコチン依存症の症状です。加熱式たばこにも紙巻きたばこと同程度のニコチンが含まれています。ニコチンに依存した生活から逃れるのは簡単なことではありません。

そこで上手に活用していただきたいのが禁煙外来です。禁煙外来では、 禁断症状を和らげる禁煙補助薬(飲み薬のバレニクリン、貼り薬のニコチンパッチ)を処方してもらえるほか、 医療スタッフが禁煙成功に向けて励ましてくれたり、無理なく禁煙する方法をアドバイスしてくれたりします。6か月間以上続く禁煙の成功率は自力で禁煙した場合に比べて4~6倍も高く、 わが国の禁煙外来の成績では治療終了時点で7~8割の人が禁煙に成功しています。

全国の禁煙外来は、日本循環器学会、日本呼吸器学会のホームページなどで検索することができます。

もっと気軽に禁煙を始める

2020年4月からは健康保険による禁煙外来においてオンライン診療が一部認められ、 標準的な禁煙治療プログラムの計5回の受診のうち、初診と最終診察を除く、途中3回分については オンライン診療で受けられるようになりました。

まだすべての医療機関が対応できていませんが、 今後普及すると思われます。一方、健康保険組合などの保険者が保健事業として実施する禁煙治療については、 すべてオンラインで受けられる場合があるので、加入している保険者に確認してみるとよいでしょう。

禁煙によって、心身ともに健やかさを取り戻しましょう。

※参照:厚生労働省HP、厚生労働省・WHO/スマートライフプロジェクトHP

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