ロコモとは?
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム」=ロコモといいます。
ロコモティブシンドロームとは、英語で移動することを表す「ロコモーション(locomotion)」、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ(locomotive)」からつくった言葉で、移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態を指します。ロコモとはその略称です。人間が立つ、歩く、作業するといった、広い意味での運動のために必要な身体の仕組み全体を運動器といいます。
運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立っていますが、これらの組織の障害によって立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態が、ロコモなのです。ロコモが進行すると、将来介護が必要になるリスクが高くなります。要支援、要介護になる原因のトップは転倒、骨折や関節の病気など運動器の故障であることはあまり知られていません。
自覚症状がなくても要注意
便利な移動手段の多い現代社会では、日常生活に支障はないと思っていても、ロコモになっていたり、すでに進行したりしている場合が多くあることが分かっています。また、高血圧など生活習慣病のある人は比較的若い頃からロコモの原因となる病気にかかりやすいことも分かってきました。自分がロコモかどうかは、ロコモ度テストで簡単に判定することができます。すでにロコモである場合も、ロコモを進行させないことが重要です。いつまでも歩き続けるために、運動器を長持ちさせて健康寿命を延ばしていくことが大切です。
ロコモ度テスト
1.「立ち上がりテスト」
片脚または両脚でどれくらいの高さの台から立ち上がれるかを測る
2.「2ステップテスト」
できるだけ大股で2歩歩いた距離を測る「2ステップテスト」
3.「ロコモ25」
運動器の不調に関する25の質問に答える「ロコモ25」
「立ち上がりテスト」を紹介!
下肢の筋力を測定するテストで、片脚または両脚で一定の高さから立ち上がれるかどうかによってロコモ度を判定します。
①40cmの台を用意します。
②両脚テストを行います。
両脚テスト
40cmの台に両腕を組んで腰かけます。両脚は肩幅くらいに広げ、床に対して脛(すね)がおよそ70度(40cmの台の場合)になるようにして、反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒保持します。
③できなかった人はロコモ度2になります。できた方は次に片脚テストを行います。
片脚テスト
40cmの台に両腕を組んで腰かけます。両脚は肩幅くらいに広げ、床に対して脛(すね)がおよそ70度(40cmの台の場合)になるようにします。そして、左右どちらかの脚を上げます。このとき上げた方の脚の膝は軽く曲げます。反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒保持します。
④どちらか一方の片脚で40cmの高さから立ち上がれない人はロコモ度1になります。
⑤さらに詳細にロコモ度を評価したい場合はロコモチャレンジ推進協議会のホームページを参照してください。
ロコモ度テストの判定
●ロコモ度1:移動機能の低下が始まっている状態です。
●ロコモ度2:移動機能の低下が進行している状態です。
立ち上がりテストで注意すること
●無理をしないよう、気をつけましょう。
●テスト中、膝に痛みが起きそうな場合は中止してください。
●反動をつけると、後方に転倒する恐れがあります。
出典:ロコモチャレンジ!推進協議会